重機・造船・プラント業界のM&Aとは?動向・売却・買収事例を詳しく解説!

近年急速的に進行している少子高齢化の動向に伴う後継者不在や労働力不足を解消するため、重機・造船・プラント業界では事業継続のためのM&Aが盛んです。本記事では、重機・造船・プラント業界のM&A動向、売却・買収事例を詳しく解説します。

目次

  1. 重機・造船・プラント業界の概要
  2. 重機・造船・プラント業界のM&A動向
  3. 重機・造船・プラント業界でのM&A・売却・買収のメリット
  4. 重機・造船・プラント業界でのM&A・売却・買収のデメリット
  5. 重機・造船・プラント業界のM&A・売却・買収事例
  6. 重機・造船・プラント業界でのM&A案件一覧
  7. 重機・造船・プラント業界のM&Aを成功させるポイント
  8. 重機・造船・プラント業界のM&Aにおすすめの専門家の相談先5選
  9. 重機・造船・プラント業界のM&Aは専門家に相談しよう

重機・造船・プラント業界の概要

重機・造船・プラント業界のM&Aの動向を深掘りするためにも、各業界の概要を詳しく把握しておく必要があります。

以下では、重機・造船・プラント業界の詳細や特徴、現状における市場規模などを詳しく解説します。

重機・造船・プラント業界とは

重機業界は土木・建設業界で使用される建設機械を製造・販売・メンテナンスを行う業界、造船業は海運・海事会社からの注文を受けて造船・船舶の修理を行う業界を指します。

一方、プラント業界とは各種製造工場や発電所、石油化学工場など各種プラントの建設・補修・メンテナンスに従事する業界です。

なかでもプラント業界の範囲は広く、工場内での設備設計や設置工事、メンテナンスを行うエンジニアリング会社や、機械を納入する機械メーカーなど広く分類されます。

重機・造船・プラント業界の特徴

重機業界の特徴として挙げられるのが、取り扱う機種の多さです。

重機業界では、ユンボやクレーン車を筆頭に、発電機や鉱山機械、ダンプカーやブルドーザーなど、多種類の機械が取り扱われます。

造船業の主な特徴は、他の製造業に比べて納期が長いうえに、事業運営に関して広大な土地が必要となる点です。

漁に使用するような小型船舶ならともかく、輸送船やタンカーなど大型なものがほとんどなので、製造に広大な土地が必要になります。

また、船舶製造は完全受注生産なので、受注から完成までには1~2年の期間が必要となります。

プラント業界の特色も重機業界同様に幅広い業種に分類される点が挙げられ、前述したように、プラントで機械設備を建設するエンジニアリング会社、土木工事などを行う建設会社などに分類されます。

重機・造船・プラント業界の市場規模

重機・造船業界の市場規模は2008年に発生したリーマンショック以降減少傾向にあります。

特に造船業界は2011年を皮切りに造船量が減少しており、今後は各種燃料運搬船などをはじめとした、継続的な生産が見込める事業への進出が不可欠となっています。

重機業界も建設業界の規模の縮小に伴い、全体的に市場規模が縮小する動向が確認できています。

一方、プラント業界の現在の動向としては、世界の製造業やエネルギー需要の動向に伴って、市場規模が拡大・縮小を繰り返していることが挙げられます。

重機・造船・プラント業界のM&A動向

現在は多くの重機・造船・プラント業界の企業が、事業継続や規模拡大のためのM&Aを積極的に行っています。

では重機・造船・プラント業界のM&A動向を詳しく解説します。

異業種とのM&A

重機・造船・プラント業界のM&A動向として、業界全体における労働力不足が増加しており、業績も安定しない点から異業種とM&Aを行う企業が増加していることが挙げられます。

業界の中にはこのまま先行き不透明な事業を継続するよりも、今後高い収益やシナジー効果の発揮が期待できる、異業種への参入に注力する企業も多いのが現状となっています。

異業種とのM&Aの事例は、今まで培ってきた事業ノウハウが生かせる関連業種や、全く異なる事業への参入など、多様な事例が見受けられます。

海外進出を目的としたM&A

海外進出を目的としたM&Aも、重機・造船・プラント業界におけるM&Aの動向として多数見受けられます。

前述したように、国内における重機・造船・プラント業界における事業シェア拡大の見込みは薄く、今後収益の拡大や継続的な収益の確保は非常に困難です。

一方、海外の一部新興国では建設ラッシュや、造船業も盛んで、需要も高く推移しています。

したがって、日本の重機・造船・プラント業界の企業の中には、活気溢れた海外市場でのシェアを獲得するため、海外進出を目的としたクロスボーダーのM&Aを積極的に実施している企業も多くあります。

重機・造船・プラント業界でのM&A・売却・買収のメリット

重機・造船・プラント業界においても、M&A・売却・買収を行えば、効率的に事業承継でき、他にもさまざまなメリットを得られます。

ここでは、重機・造船・プラント業界におけるM&A・買収・売却のメリットを売り手・買い手の双方の立場から解説します。

売り手側

重機・造船・プラント業界でのM&Aを行うと、売り手側はどのようなメリットを得られるのでしょうか。

では重機・造船・プラント業界でM&Aを行う際に、売り手側が享受できるメリットを4つ紹介します。

後継者問題の解決

重機・造船・プラント業界に限ったことではありませんが、後継者問題を解決できることは、売り手側のメリットの1つです。

近年、問題視されている少子高齢化の動向から、重機・造船・プラント業界内でも多くの企業が有力な後継者を擁立できずに廃業しています。

そこで、廃業・倒産に追い込まれる前に他社に事業を売却すれば、後継者問題が解消され事業を継続できます。

従業員の雇用維持

後継者問題が解消されることに関連し、従業員の雇用を維持できる点も売り手側のメリットの1つです。

後継者不在や労働力不足、業績不振などの理由で廃業・倒産すれば、事業が完全に消滅するうえに従業員も職を失います。

一方でそのような事態に陥る前にM&Aで他社に事業を売却すれば、従業員もそのまま引き継がれるので職を失う心配もありません。

技術・リソースの共有

技術・リソースが共有されるのも、重機・造船・プラント業界でM&Aを行う際に売り手側が得られるメリットです。

M&Aによって、売り手側が買い手側と統合されることにより、事業資産や従業員、経営資源などのリソースや運営ノウハウなども共有されます。

技術や資産、リソースを共有できれば、売却後も安定した運営が期待できます。

経営基盤の強化

重機・造船・プラント業界でのM&Aでは、経営基盤を強化できるのも売り手側のメリットの1つです。

経営資源に乏しい中小企業などは市場シェアの獲得が困難なうえに自社リソースも不足しているので、事業に必要な投資が十分にできないケースも多く見受けられます。

そこでM&Aにより経営資源が豊富な上場企業などに事業を売却すれば、大手傘下に参入して安定した経営基盤における運営が可能です。

買い手側

重機・造船・プラント業界のM&Aにおいても、売り手側同様に買い手側にもいくつかのメリットが生じます。

では重機・造船・プラント業界でM&Aを行う際の、買い手側のメリットを紹介します。

事業規模・エリアの拡大

事業規模・エリア拡大ができる点は、重機・造船・プラント業界でM&Aを行う際の買い手側のメリットです。

買い手はM&Aで売り手の事業を買収すれば、市場シェアや顧客など、運営に欠かせない重要な資産もそのまま引き継ぎ、事業規模を拡大させることができます。

さらに、売り手の事業領域にも参入できるため、相対的な事業シェアの拡大が可能です。

迅速な市場進出

重機・造船・プラント業界でM&Aを行えば、市場進出の迅速性を向上できる点も買い手に生じるメリットの1つです。

事業規模拡大のために新規事業所などを開設すれば多額の資金がかかるうえに、運営に必要な従業員も確保しなければいけません。

また、事業ノウハウなども新規で構築しなければいけないので、効果を得られるまでに時間がかかります。

一方、M&Aで既存の事業をそのまま買収すれば、買収金を支払うだけで業務に慣れた従業員もそのまま確保できるうえに、事業ノウハウもそのまま引き継ぐことができるので、迅速な市場進出が可能です。

技術・知識の取得

技術・知識を取得できるのも、重機・造船・プラント業界でM&Aを行う際に、買い手側が得られるの大きなリットです。

M&Aの買収では、買い手側は売り手側の事業だけでなく、事業運営に必要な技術や専門知識などの無形資産も引き継ぎます。

特に他社にはない専門的な専売特許・技術などの価値の高い無形資産を買収すれば、継続的な収益確保や高いシナジー効果の発揮により、事業を拡大させることも可能です。

重機・造船・プラント業界でのM&A・売却・買収のデメリット

重機・造船・プラント業界においても、M&Aを行えば、メリット同様にデメリットも生じます。

では重機・造船・プラント業界でのM&A・売却・買収におけるデメリットを売り手側・買い手側の双方の立場から説明していきます。

売り手側

重機・造船・プラント業界のM&Aでは、売り手側に主に3つのデメリットが生じます。

では重機・造船・プラント業界のM&Aにおける、売り手側のデメリットを紹介します。

従業員の離職のリスク

まず、従業員の離職のリスクが高まる点が、重機・造船・プラント業界においても、M&Aを行う際の売り手側のデメリットです。

M&Aを行えば、売り手側の従業員は買い手側の従業員と同じ環境で業務にあたるケースも多く、その際に新しい人間関係や職場環境に馴染めず退職するケースも少なくありません。

また、M&Aでは売り手側の従業員は買い手側の就業規則に沿って勤務するようになるので、賃金や労働時間が変更する事例も多く見受けられます。

その結果として、多様な変化の動向に耐え切れずに売り手側の従業員が退職する事例も多いです。

希望した価格で売却できない可能性がある

重機・造船・プラント業界に限らず、M&Aを行う際に、希望した価格で売却できない可能性がある点も売り手側のデメリットの1つです。

M&Aで売り手側は自社の企業価値評価を行い、その結果をもとに買い手と価格交渉を進めます。

その際に買い手が自社の強みなどを理解し、買収後に高いシナジー効果を発揮できると判断すれば売り手が提示した金額で買収を進める可能性が高いです。

一方、買い手が買収による高いシナジー効果を発揮できないと判断すれば、売り手が提示した金額よりも低い価格での買収を提示する事例も多く見受けられます。

このようにM&Aは売り手と買い手の相互理解のもとに契約が締結されるので、自社の希望額のみが反映されない可能性があることも把握しておかなければいけません。

買い手企業が見つからない可能性がある

買い手企業が見つからない可能性がある点も、M&Aを行う際に売り手側に生じるデメリットです。

前述したように、M&Aは売り手と買い手の相互理解のもとに契約が締結されます。

したがって売り手が自社をすぐにでも売却したいと思っても、売り手の事業に魅力を感じる買い手が現い可能性も大いにあります。

このような事態を回避するためにも、財務状況の改善や事業の収益力の向上を図り、企業価値を高めましょう。

経営のコントロールを失う

重機・造船・プラント業界のM&Aにおいても、経営のコントロールを失う点は売り手側のデメリットです。

事業譲渡のような株式の移動が無ければ経営権の一部のみ移動しますが、一般的な株式譲渡による買収であれば売り手は完全に経営権を喪失します。

したがって、M&Aで売り手側は事業を継続できる一方で、買い手側に経営権を掌握される可能性が高い点も認識しなければいけません。

買い手側

重機・造船・プラント業界でM&Aを行えば、売り手側同様に買い手側にもデメリットが生じます。

では重機・造船・プラント業界でM&Aを行う際の買い手側のデメリットを紹介します。

買収費用が増えるリスク

買収費用が増えるリスクがある点は、重機・造船・プラント業界に限らず、M&Aを行う際の買い手側のデメリットです。

売り手企業が有効な専売特許などを所有し、競合他社からの買収の需要が高くなればその動向に伴って買収費用も増加します。

その結果、買収に成功しても、費用対効果を得られるまでの時間が長くなります。

簿外債務・偶発債務のリスク

重機・造船・プラント業界でのM&Aにおいても、簿外債務や偶発債務のリスクが生じる点は買い手側のデメリットです。

M&Aでの買収では、M&Aの取引締結後に売り手の帳簿に記載されていない簿外債務や偶発債務が発生し、買い手に支払い義務が課せられるケースも少なくありません。

このような事態を防ぐためにも、買い手は取引期間中に売り手の財務状況を監査するデューデリジェンスを徹底しましょう。

期待したシナジー効果を得られないリスク

期待したシナジー効果が得られないリスクが生じる点も、重機・造船・プラント業界でM&Aを行う際に買い手側に生じるデメリットです。

事前にある程度のシナジー効果を見込んで買収しても、その時の社会情勢や市場動向により収益性が変動することもあります。

そのような変動に伴い、買収後に期待するようなシナジー効果を発揮できない可能性がある点も把握しておきましょう。

重機・造船・プラント業界のM&A・売却・買収事例

重機・造船・プラント業界においても、M&Aを行えば効率的な事業承継が可能です。

ここでは、実際に行われた重機・造船・プラント業界のM&A・売却・買収事例を紹介します。

日工による宇部興機のM&A

2022年3月には兵庫県明石市を拠点にアスファルトプラントや生コンプラントなどの建設機械をはじめ、その他多様な産業機械を製造・販売する日工が、油圧配管工事やプラント工事業などをメインに手掛ける宇部興機の株式を取得して子会社化しました。

このM&Aは、日工が事業基盤拡充のために手掛けた事例です。

株式会社日工コーポレートサイト

三菱重工業による三井E&S造船の艦艇事業等の事業譲受

2021年3月には、主に造船事業などを手掛ける三井E&S造船が、防衛産業において国内トップシェアを誇る三菱重工業に自社の鑑定事業を譲渡しました。

このM&Aは、三菱重工業が事業シェア拡大のために手掛けた事例です。

三菱重工プレスリリース

商船三井によるグループ会社の完全子会社化

2022年1月には、バルク船や油送船、LNG船などによるサービス事業を提供している商船三井が、自社子会社で不動産事業全般を手掛けるダイビルや海上輸送事業や運送事業を手掛ける有徳を完全子会社化しました。

このM&Aは、商船三井がグループ内の集中力を高めるために手掛けた事例です。

商船三井プレスリリース

今治造船とジャパンマリンユナイテッドの資本業務提携

2020年3月には、国内造船業における市場シェア第1位の今治造船と、2位のジャパンマリンユナイテッドが資本業務提携を締結しました。

このM&Aは、両社が海外競合に対抗するために手掛けた事例です。

今治造船株式会社ニュースリリース

ベステラによる矢澤のM&A

2021年12月には、プラント解体事業や人材サービス事業などを手掛けるベステラが、アスベスト・ダイオキシン対策事業や内装解体工事事業などを運営する矢澤の株式を取得して子会社化しました。

このM&Aは、ベステラがシナジー効果を取得するために手掛けた事例です。

ベステラによる株式会社矢澤の子会社化に関するお知らせ

重機・造船・プラント業界でのM&A案件一覧

重機・造船・プラント業界では、具体的にどのようなM&Aが行なわれているのでしょうか。

そこでここからは、実際に行われたM&A案件の詳細を紹介します。

【業績拡大中】東北の環境系プラントエンジニアリング

業績が拡大している、東北の環境系プラントエンジニアリングのM&A案件です。

現状での施工レベルが高く、今後も継続的な案件受注が見込めるうえに競合も少ない点から、高めの譲渡希望金額が提示されています。

また、M&A実行時の業績は好調で、2026年頃まで受注見込みが立っている点も企業価値評価を高めている要因です。

売上高

2.5億円~5億円

営業利益

1,000万円~5,000万円

譲渡希望金額

6,000万円

譲渡理由

将来的な後継者不在と事業拡大

本案件の詳細は以下のリンクからご覧ください。

【業績拡大中】東北の環境系プラントエンジニアリング

【カーブアウト案件/大手との長期契約有】インドネシアプラント建設、O&M事業

40年以上の歴史を持ち、プラント建設やO&M取引を手掛けるインドネシアの企業によるカーブアウト案件の1例です。

業績は2021年~2022年度において20%以上向上し、今後も業績向上が見込める点から破格の譲渡希望金額が提示されました。

また、取引先からの評価も高いうえに、インドネシア政府が推進している再生エネルギー施策により、今後も企業価値評価・高い収益性が見込める点も譲渡希望金額に反映されています。

売上高

50億円~100億円

営業利益

2.5億円~5億円

譲渡希望金額

46.5億円以上

譲渡理由

不明

本案件の詳細は以下のリンクからご覧ください。

【カーブアウト案件/大手との長期契約有】インドネシアプラント建設、O&M事業

【EBITDA40M/有資格者30名以上】次世代エネルギープラント設計事業

EBITDA分析40M以上の、安定した業績を誇る次世代エネルギープラント設計事業のM&A案件事例です。

長年の実績により大手企業からの案件受注が多いうえに、1・2級の施工管理技士取得者が30名以上在籍するなどの観点から譲渡希望金額も高めに設定されました。

また、同企業は長年の実績により、多様な産業におけるプラント設計を可能にし、そのスキル・ノウハウも無形資産として企業価値評価として算出されています。

今後も国内外に事業展開が可能な経営資源も有している点も、高額な譲渡希望金額を提示した理由の1つです。

売上高

5~10億円

営業利益

1,000万円~5,000万円

譲渡希望金額

5億円~10億円

譲渡理由

後継者不足(事業承継)

本案件の詳細は以下のリンクからご覧ください。

【EBITDA40M/有資格者30名以上】次世代エネルギープラント設計事業

重機・造船・プラント業界のM&Aを成功させるポイント

重機・造船・プラント業界のM&Aを成功させるためにも、いくつかのポイントに留意しなければいけません。

では重機・造船・プラントのM&Aを成功させるポイントを紹介します。

事前準備をしっかり行う

事前準備をしっかり行うことは、重機・造船・プラント業界に限らず、M&Aを成功させるポイントの1つです。

M&Aには法務や税務、財務などに関する複雑な手続きが多く、実際に取引が開始して手続きを始めても交渉に間に合わないケースもあります。

当然ながら手続きが間に合わなければ、契約が破談になる可能性もあるので、事前準備をしっかり行い、スムーズに交渉を進めましょう。

相手先企業を慎重に選ぶ

重機・造船・プラント業界においても、M&Aを成功させるためには、相手先企業は慎重に選ばなければいけません。

事業を継続させるために事業を売却したにも関わらず、売却先の企業がすぐに倒産・廃業すれば意味のないM&Aになります。

そのような事態を防ぐためにもM&Aの交渉が始まる前に相手企業の経営状況を確認するなど、入念なリサーチを徹底しましょう。

専門家への相談

専門家に相談するのも、重機・造船・プラント業界のM&Aを成功させるためのポイントの1つです。

前述したように、M&Aの手続きや交渉には、法務や税務、財務などに関する専門的な知識が欠かせません。

そのような複雑な手続きを自社のみで行えば交渉に間に合わない可能性もあるので、M&A仲介会社をはじめとした専門家に相談しましょう。

また仲介会社は自社では対応できない法務や税務、財務関連の手続きや交渉が必要な際には、豊富なネットワークを活用して最適な専門家へのサポートを依頼してくれます。

さらに自社の条件をヒアリングし、その条件に最も適した取引相手をマッチングしてくれるのもメリットです。

重機・造船・プラント業界のM&Aにおすすめの専門家の相談先5選

重機・造船・プラント業界のM&Aを成功させるためにも、有効な相談先を選択しなければいけません。

そこでここからは、重機・造船・プラント業界のM&Aにおすすめの相談先を紹介します。

金融機関

信用金庫や銀行などの金融機関も、重機・造船・プラント業界に限らず、M&Aを行う際のおすすめの相談先です。

金融機関は財務関連の専門家なので、M&Aにおける企業価値評価やその他財務手続きに関する的確なサポートが期待できます。

特に自社担当の銀行や信用金庫なら、自社の財務状況を把握したうえでの的確なアドバイスや買収資金の融資を受けることが可能です。

商工会議所

重機・造船・プラント業界のM&Aでは、商工会議所も相談先の一つとしておすすめです。

この機関は全国各地に設置されている公的支援機関で、会員登録すれば無料でM&Aや事業承継に関して的確にアドバイスしてくれます。

特に中小企業の小規模案件などを積極的に取り扱っているので、気軽に相談できる点もメリットです。

事業承継・引継ぎ支援センター

事業承継引継ぎ支援センターも、重機・造船・プラント業界のM&Aにおける有効な相談先の1つです。

この機関も全国各地に設置され、機関内には元公認会計士や税理士も在籍しているのでM&Aに関する専門的なアドバイスが期待できます。

弁護士・公認会計士・税理士

重機・造船・プラント業界のM&Aでは、弁護士や公認会計士、税理士などの士業に相談するのもおすすめです。

弁護士は法務の専門家なので、M&Aにおける契約締結書をはじめとした各種契約書作成のサポートが期待できます。

さらに弁護士は法的な知識が豊富なので、M&Aにおけるトラブルにも迅速に対応してくれるのもメリットです。

公認会計士は財務関連に詳しく、売り手の財務調査であるデューデリジェンスや帳簿整理などに関するサポートが可能です。

税理士は税務の専門家なので、M&Aに関連する所得税や不動産取得税など、多様な税務関連のサポートが期待できます。

M&A仲介会社

M&A仲介会社も重機・造船・プラント業界のM&Aにおける有効な相談先です。

M&A仲介会社はM&Aに必要な法務や税務、財務に関する知識に特化しているので、各種手続きや交渉に関する専門的なサポートが期待できます。

さらに豊富な実績を活用し、自社に最適なマッチングをしてくれるのもメリットです。

重機・造船・プラント業界のM&Aは専門家に相談しよう

本記事では重機・造船・プラント業界のM&Aを分析し、動向・売却・買収事例を詳しく解説しました。

近年進行し続けている少子高齢化により、重機・造船・プラント業界においては後継者・労働力不足により廃業・倒産する企業が後を絶ちません。

スムーズなM&Aに成功すれば効率的に事業を継続できるうえに、事業シェアを拡大させることも可能です。

一方、M&Aの手続きには法務や税務、財務に関する専門知識が必要なので、仲介会社をはじめとした専門家に相談することがおすすめです。

M&Aでも、重機・造船・プラント業界における効率的な事業引継ぎが可能ですが、さらにスムーズな引継ぎ行うのであればM&A仲介会社による事業承継がおすすめです。

仲介会社による事業承継を活用する場合、自社親族内の後継者を確保できれば簡単に手続きが完了します。

さらに親族や従業員内に後継者がいなくても、第三者企業から最適な後継者を探せるのも仲介会社による事業承継のメリットです。

特に近年は事業承継に特化しているM&A仲介会社も多いので、ぜひ一度相談をしてみてください。

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